おはようございます!池田千恵(@ikedachie)です。
先日、読売新聞が運営している「大手小町」というサイトで、このような悩みに対する対処法について取材を受けました。
家で仕事をすることでメリハリをつけることが難しく、日中は何となくネットサーフィンなどをして過ごしてしまい、締め切り前に慌てて明け方まで追い込み仕事をして、なんとか帳尻を合わせる。毎日出社していた時は真面目で通っていたのに、自分がこうも自堕落だったとは….
心当たりがある方も多いと思います。
コロナも落ち着くまでにはまだ時間がかかりそうな中、自堕落になってしまうことや、締め切りまでに早めにやっておきたいのにギリギリまで後回しにしてしまい、ネットサーフィンなどしてしまう、そんな場合の対処法について、取材ではお話しきれなかったところを含め、さらに深掘り解説します。
Contents
■ 昼夜逆転 治し方のコツは3つの「知る」
私は解決策は3つの「知る」だと思っています。
1. テレワークの中、生活習慣を整える必要性を「知る」
2. 昼夜逆転生活に罪悪感を持つ理由を「知る」
3. 現状の生活リズムを「知る」
順番に解説します。
■ 1. テレワークの中、生活習慣を整える必要性を「知る」
コロナ禍がもう2年以上続いており、皆さんも身にしみて感じていると思いますが、出社はある意味自分のリズムを作る強制力としてはうまく機能していたんです。
何時に起きて、何時の電車に乗って、電車に揺られて会社に着いたらコーヒーを飲んで、メールチェックして…といったリズムは、「出社」の強制があるから維持できていました。
しかし今は、外からのリズムでの強制力を期待できない状態です。そこで、自分で自分のリズムを作ることが今まで以上に大切になってきています。
このことについては、「リモートワークで伸びる人・リモートワークに潰される人」というタイトルでブログも書いているのでよかったら合わせてご覧ください。
厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、体内時計の周期は地球の自転の時間、つまり24時間よりも若干長いと言われています。網膜を通じて目から入った「明るい」とか「暗い」という情報が体内時計に伝達して、地球の自転の周期と自分の体を合わせているそうなんです。また、夜の光は体内時計を遅らせる方向に働いて行きます。
つまり、体内時計をどんどん後ろ倒しにしないためにも、朝、太陽の光でリセットすることが、生活リズムを整えるためにとても重要です。
また、体内時計がずれ続けることで生じる問題として「概日リズム睡眠障害」というものがあります。起きられない、眠れない、無理に起きると眠気や頭痛、倦怠感、食欲不振など、身体的な不調に現れてくる病気だそうです。(出所:厚生労働省「e-ヘルスネット」)
最初の質問者さんは、身体的な不調までは行っていないようですが、ズルズルと睡眠時間が後ろ倒しになったり、昼間ダラダラしてしまうのが続くと、もしかしたらこの概日リズム睡眠障害になってしまう可能性もあるかなと感じています。
そこでおすすめするのが朝活です。乱れた生活リズムをリセットするのに、朝活はとても有効です。なぜなら、早寝早起きは自分で決めたことをしっかり実行に移し、前に進むための絶好の訓練となるからです。
さきほどもお伝えした通り、出社でリズムを作ってもらっていた状態はコロナで取り払われました。自分で自分のリズムの面倒を見る必要があります。
早寝早起きは、365日毎日できる、自分で自分のリズムを整えるちょっとした訓練となります。是非試してみてください。
■ 2. 昼夜逆転生活に罪悪感を持つ理由を「知る」
昼夜逆転で生活リズムが狂うのが嫌な理由を考えよう
先ほどの質問内容をもう一度見てみると、太字部分がポイントになります。実は「自堕落なことに罪悪感を感じてしまう」ことが問題のひとつなのです。
家で仕事をすることでメリハリをつけることが難しく、日中は何となくネットサーフィンなどをして過ごしてしまい、締め切り前に慌てて明け方まで追い込み仕事をして、なんとか帳尻を合わせる。毎日出社していた時は真面目で通っていたのに、自分がこうも自堕落だったとは….
この方は、自分の自堕落具合に嫌気がさしているんです。
でも、そもそも、ギリギリ仕事でも一応回っていて、前と同じように周りから評価されている、周りから見てダラダラしているとは思われてないんだったら、罪悪感を持つ必要はないんじゃないかと思うんです。
この質問者さんは、すごい真面目ですよね。 「真面目で通っていた私が、こんな風になっているのは許せない!」みたいな感じになってるのかもしれません。でも、「自分はそれでも評価されている」事は認めてあげてもいいんじゃないかなと思います。
テレワークでダラダラが嫌な本当の理由
では、なぜ「自堕落とダラダラはダメだ」と考えてしまうのでしょうか。ダラダラしていても、ぶっちゃけ「やることやってりゃいい」わけなのに、なんで「ダラダラ」が嫌だなーとか、ダメだなーとか思っちゃうか。
それは
1. 「自分で決めてやっていない」から
2. あっという間に時間が溶けているという感覚があるから
嫌なんです。
自分の意思をもって、自由に使っていない感覚、気づいたら時間がなくなっちゃったみたいな感覚。それが嫌なのではないでしょうか。ですから、上記の感覚にならないように、自分の中でメリハリをつけていく。そこが大事です。
寝坊も堂々と決めて実行すれば罪悪感はナシ
例えば、寝坊だって「寝る!」と決めて正々堂々とやれば、罪悪感は全く感じないはずなんです。逆に、決めることができさえすれば、「あーよく寝た!」という達成感にもなります。
例えば、先ほどの「大手小町」の質問者さんの例でも、夜中まで仕事をして間に合わせて…というのがずーっと続くならちょっと問題かもしれませんが、1日集中する日がたまにあって、達成感があるなら、そのまま続けてもいいかもしれないですよね。
このように、「前もって決めておく」ことがとても大切です。
ちなみにこの写真は、私がプロデュースしている「朝活手帳」の中で、実際に私の記入したところを写真に撮ってきたものです。
例えばこの「20日」のところで「ねる!」と書いてあります。
前もって「ねる!」と決めて、思いっきり寝る。自分できちんと決めて、堂々とやる。
この意識付けがとても大事だと思います。
また、曖昧な目標設定だと、やはり時間が溶けていく感覚になってしまいます。
頑張る
バリバリ仕事をする
必要に応じてやる
このような言葉は、何となく分かった気にはなるけど、結局なんだかよくわからないんです。
自分が本当に「頑張った」か、本当に「バリバリ仕事している」のかは、このままでは数値的に測ることができませんよね。
このような目標設定をすると、頑張りも徒労に終わるので避けましょう。
生活リズムを整えるための「すぐの法則」
改善策として提案するのが「すぐの法則」です。「すぐ」とは、「数字で」「具体的に」の頭文字です。
例えば早起きを例にすると、次のように設定していきます。
早起き「成功」とは
・1週間のうちに5日、目標時間に起床したら、早起き成功
・目覚まし時計なしに、決まった時間に3日連続で起床したら、早起き成功
・週2回、朝活の集まりに参加できたら、他の日にいくら寝坊してても、早起き成功
このような感じで、数値化して定点観測できるかが大きな鍵になっていきます。
■ 3. 現状の生活リズムを「知る」
最後の「知る」は、「生活リズムを知る」です。
まず、「ダラダラ、自堕落がダメ」だと思っちゃうのは、真面目な証拠です。今までそうやって頑張ってきたので、自然に思ってしまうことは仕方がないことだと思います。
そこで大切なのが、「ダラダラ、自堕落な自分」をまるっと認めることです。
「ダラダラ、自堕落な自分は、本来の自分じゃない」と思い、理想のスケジュールをイメージしても、それが現実のスケジュールと乖離していると、ますます辛くなってしまいます。
まずは「ダラダラした状態のまま」現状把握から始めていきましょう。
テレワークの現状把握に朝活手帳が有効
具体的には、
・何時間睡眠、何時起床でどうなる?
・何時に寝るとどうなる?
・天候の変化、気圧の変化で目覚めは変わる?
・仕事の忙しさの波はどうだった?
といった情報を、手帳やアプリなどを使って記録していきましょう。
ちなみに筆者がプロデュースしている朝活手帳では、上記の項目をかけるスペースがありますので、ご興味ありましたら手にとっていただけると嬉しいです。
現状把握をまずすることで、無理すぎる目標を立てて挫折して落ち込むことが減りますよ。
3日坊主とはよく言ったもので
- 本気出せばできるはず!
- 頑張るぞ!
と思うのもいいのですが、エネルギーや「やる気」だけで続けようとすると3日ぐらいしか続きません。
習慣を継続したい、自堕落な状態を脱したいと思うなら、自分が続けやすいパターンを知ることが大切です。
自堕落な状態でもきちんと記録しておけば、どうして自堕落になってしまうのかも分析できます。
昼夜逆転している状態を1ヶ月単位の長い目で見よう
もう一つポイントとしてお伝えしたいのは、一か月単位の長い目で見るということです。
1週間単位ではめちゃくちゃな生活だと思っていたとしても、長い目で見たら一定の傾向があることが多いんです。
先ほどの質問者さんの場合も、もしかしたら締め切り前は乱れていても、他の日はちゃんとしているのであれば、別にそのぐらいはいいんじゃないって思えるかもしれないですよね。
忙しい日は波があったり色々ありますので、長い目でみてみましょう。
ちなみに私も、乱れた睡眠時間を定点観測でリセットした経験があります。
元々私は夜型でした。夜型から朝型に180度転換しました。
また、今は6歳の子育て中です。今でこそ子供が夜中に起きずに朝までぐっすり寝るようになりましたが、小さい頃は全然出なかったり、夜中2時に必ず起きだしたり、色々大変でした。
それからどうやって工夫していったかは、次のブログ記事でも詳しく書きましたのでご覧ください。
■昼夜逆転の治し方はYouTubeでも解説中
今回の記事はYouTubeでも解説しています。動画と音声でも視聴できますのでよかったらどうぞ。定期的に動画をアップしていますので、ご興味があればチャンネル登録をお願いします。
株式会社 朝6時 代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。個人に向けては朝活で人生計画を立てるコミュニティ「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。12年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。