こんにちは。池田千恵(@ikedachie)です。
朝のスッキリした頭で勉強したい人は多いですよね。私もかつて夜型生活を送っていたときは受験勉強に2回も失敗し、ダラダラ勉強で時間を無駄にしていました。そこで今までの延長線上に未来がない!と決意し一念発起。朝活勉強をはじめることで、受験勉強本格化から半年で、当時(1995年)私立大学偏差値ランキングトップだった慶應義塾大学総合政策学部に合格しました。社会人時代は趣味の飲食の資格(ワイン、チーズ、日本酒、天然酵母パン師範、マクロビオティック師範など)を7つ、朝活勉強で次々と取得し、会社の許可を得て週末起業でワイン、チーズ、パンを教える教室を開催していました。
その後、2008年にフリーランスとして独立。2009年に『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(マガジンハウス)を出版、2010年には朝専用手帳『朝活手帳』をプロデュース、2015年に法人化し朝の活用を支援する株式会社 朝6時を設立して今に至ります。
朝を活用することで大学受験をクリア、仕事をしながら資格を活かし週末起業、そして独立をした経験から、朝の時間は勉強にふさわしい金の時間だと実感しています。
しかし、早起きして勉強しよう!という時に最初に直面する「眠い」というハードルがあります。
例えば
早くベッドに入ったのに二度寝してしまい、結局たくさん寝ただけ
寝起きで頭が働かず、ぼーっとしてしまう
無理矢理起きても眠くて机に突っ伏してしまい、結局勉強できなかった
というものです。
せっかくの朝の金の時間をこのように無駄にしているのはあまりにももったいないですよね。
そこで今回、朝活勉強で受験勉強を成功させるための具体的方法について解説します。
この手法で大学受験も、趣味の試験もクリアできたので、学生でも社会人でも試験勉強を控えている人に汎用性があるものです。
Contents
■朝活勉強の効果と5つのメリットとは
(1)邪魔が入らず集中できる
カリフォルニア大学アーバイン校の研究によると、仕事を中断し、仕事のリズムを取り戻すまで、平均23分15秒も必要とするそうです。(出所:lifehacker「仕事のちょっとした中断が、1日の生産性にかなりのロスを発生させる」)
朝はメールやLINEなど、集中力を阻害する周囲からの情報から逃れることができます。また、社会人の場合夜は特に、急な残業や断れない付き合いがあったりして自分の計画した通りに勉強ができないことがストレスになりがちです。朝なら、相手次第でコントロールしなければならない予定はありません。自分さえ早く起きることができれば、他に邪魔する人はいません。
「真夜中も邪魔が入らないのではないか」という反論もあります。しかし夜中に勉強をしているとちょっとでも解けない問題があるときに「どうせこんなに頑張っても受からないのではないか」とネガティブな気持ちになりがちです。早起きして網膜に早く光を当てると心身の安定や安らぎに寄与する「セロトニン」が分泌されるということが科学的にも証明されています。朝なら問題が解けなくても「どこから克服すればよいのだろう?」と前向きに物事を捉えられるようになります。
(2)お気に入りの勉強環境が維持できる
特に外で勉強をする際に大切なのは、お気に入りの勉強環境をいかに確保するか。好みの席に座れるか座れないかで勉強の集中度やモチベーションが変わります。朝早く行動していれば、自分の定番スペースをいち早く確保することができます。学校の自習室でも、早朝オープンのカフェでも、朝いちばんに入ることができたら好きな席が選び放題です。
(3)終わりの時間が決まっているのでメリハリがつく
勉強の時間は長ければ長いほど良いというわけではありません。夜勉強すると、永遠に時間があるような気がしてダラダラしてしまいます。私が夜型勉強をしていた頃、長時間机にかじりついてはいましたが、結局テーブルの上を整理したり、気分転換にマンガを読んだりと集中力が散漫になり、実質の勉強時間はとても少ないものでした。朝なら授業が始まる前まで、始業前まで、といったほうに終わりの時間が見えているので逆算してメリハリをもって勉強することができます。
(4)規則正しい生活パターンを維持できる
試験の多くは午前中スタートします。試験当日は思わぬハプニングがつきもの。寝坊で遅刻したり、緊張してトイレにこもったりと、本来の実力以外で失敗する要因は極力排除したいですよね。早起きを今から習慣化しておくと、試験日当日も最高のパフォーマンスを出せる状態で試験会場に向かうことができます。時間に余裕があれば遅刻やトイレの心配もありませんし、普段から早起きしていれば最高のパフォーマンスで試験に臨むことができます。
(5)皆が寝ている間に勉強している優越感に浸れる
同僚や友人に内緒で、こっそり自分の価値を上げたいという「コソコソ勉強欲」がある方は意外に多いのではないでしょうか。大学受験勉強をしているころ、毎日早い時間の電車に乗り、予備校の自習室に通っていました。車窓から差し込む朝日を見ながらの通学は満員電車とは無縁でとても快適でした。毎日「自分はちゃんと起きている」という自信と、計画通りにきっちりと勉強を終わらせることができた達成感が「やればできる」という前向きな気持ちを生み、それば勉強の継続と成果を上げるパワーとなりました。朝活勉強が軌道に乗ってくると「人がまだ寝ている間に私は頑張って勉強しているんだ」というちょっとした優越感を前向きに活用することができます。
■朝活勉強のスケジュールとは?受験生・社会人の例を紹介
当時のスケジュールは次のようなものでした。朝集中して勉強するので、夜はリラックスし、一切勉強はしないというスタイルでメリハリある勉強ができました。朝しっかり勉強できた!という満足感があるので、夜のスケジュールが多少狂ってもストレスが少ないというメリットがありました。
私の場合は家で勉強するより外で勉強したほうが「外の目」を意識して勉強がはかどるので外で勉強することがほとんどでした。社会人時代は朝勉強は職場から近い場所まで朝早いうちに移動し、ぎりぎりまで勉強するスタイルを取っていました。自宅近くよりも職場近くのほうがオススメです。学生の方も、学校の自習室に朝から入って勉強するとはかどります。理由は次の2つです。
- 電車遅延など余計な心配がなく、ぎりぎりまで集中できる
- 満員電車のストレスから解放される
具体的には次のようなスケジュールで勉強していました。
<大学受験時>
・22:00 就寝
・05:30 起床
・06:00 家を出る
・07:00 予備校の自習室到着。ひたすら勉強。合間に週2コマ程度、厳選した講師の授業を受講
・17:00 勉強終了、帰宅
・帰宅後はリラックス。一切勉強はしない
<社会人受験時>
受験勉強スタート時
・22:00 就寝
・05:30 起床
・06:00 家を出る
・06:30 会社近くのファミレス到着。勉強スタート
・08:30 出社
・09:00 業務スタート
<社会人受験時>
朝活勉強に慣れてからは徐々に以下のパターンが定着
・23:00 就寝
・04:00 起床、シャワー、化粧、メールチェック
・05:00 朝食
・05:30 家を出る
・06:00 会社近くのファミレス到着。勉強に限らず状況により企画、仕事のアイディアなど「思索の計画」の時間に充てる
・08:30 出社
・09:00 業務スタート
※朝5時半起きからどうやって朝4時起きになったか、朝4時起きの工夫については、以下の記事でまとめています。
■朝活勉強が眠い受験生が早起きして勉強するコツとは?
このようにメリットが多い朝活勉強ですが、やはりパターンがつかめるまでは「眠さとの戦い」がクリアすべきハードルです。具体的に説明しましょう。
朝型生活定着までの3つのハードル
(1)朝ベッドでぐずぐず二度寝してしまう
目覚まし時計のアラームが鳴ってからの「あと10分…」の繰り返し。まどろみは至福の時間ですよね。でも「あと10分」を繰り返しているうちにいつの間にか通学・出社時間になってしまった!と慌てる人は多いです。
(2)寝起き直後、頭を働かせるのに時間がかかる
朝起き抜けからシャキッと動ける人はなかなかいません。しばらくぼーっとする時間が欲しい、という人も多いでしょう。しかしその間にも時間が過ぎてしまいますよね。悩ましい問題です。
(3)単調な勉強で眠くなり机で寝てしまう
頑張って早起きしたのはいいが、やはり眠くてぼーっとしてしまい、机につっぷして気付いたら寝ていた…というのも「あるある」ですよね。
朝活勉強で眠いのは仕組み化が足りないせい
なぜこのようなことが起きるかというと、「気合いと根性」「意志とやる気」で早起きして勉強をはじめようとするからです。
様々な業界に取材しているライターの友人が行動習慣の専門家に聞いた話によると、習慣を「意志」や「やる気」だけで継続できる人は、たったの2%なのだそうです。ですから「意志」や「やる気」に頼らない方法で習慣化する必要があります。
どうやったら目が覚めやすいか、どうやったら集中力を保てるかを理解し、朝活勉強を習慣化しましょう。朝活勉強で眠くならずに最大限の効果を発揮する方法を紹介します。
■朝活勉強したい学生・社会人に有功な3つの手段とは
(1)朝活勉強は眠いと思う隙を与えない
何時に起きても眠いものは眠いと割り切る
朝起きる時はどんな人でも必ず、眠いものは眠いんです。二度寝が幸せなのは、その一瞬だけ。二度寝はそのまま、朝起きる辛さを2度も経験してしまう、ということにつながります。辛いものは1度で済ませればいいに決まってる。そう割り切れば、少し早起きするのが楽に感じませんか?
ガバッと起きて朝シャワー
東京ガス都市生活研究所の研究によると、朝、熱めのお湯で「シャワー浴」をすることで、シャワーの水流やお湯の温熱作用で交感神経の働きが活発になり、血圧を上昇させ、目覚めを助けてくれるそうです。私は朝は42度の熱いシャワーを浴びています。ぼーっとした頭もこれでスッキリします。シャワーが難しい場合は、熱い蒸しタオルで顔や身体を拭いてみるのもおすすめです。
交感神経は冷たい刺激でも活発になります。夏場なら冷蔵庫に入れておいたシートパックを顔にのせたり、おしぼりで顔を冷やしたりするのもオススメです。冷たい刺激でシャキッと目覚めます。
よそ行きの服を着てしまう
朝ガバッと起きてシャワーを浴びたら、家で勉強する場合でも外で勉強する場合でも、しわになったら困るよそ行きの服を着てしまいましょう。「この服では絶対に二度寝できない」という服を最初に着てしまうこととが強制力となります。
(2)朝活勉強は朝食の工夫がカギ
以前精神科医の西多昌規先生と日経doorsで対談をした際、朝食と目覚めには密接な関係があると教えてもらいました。
体内時計の機能を持つ遺伝子は、皮膚から内臓まで各細胞に備わっていて、胃や腸にも体内時計の役割を持つ細胞はあるので、食べ物が入ってこないと、胃や腸はいつ起きたらよいのか分からなくなるそうです。つまり、食べ物を胃腸に入れるという行為が、目覚めのスイッチを入れる行為となります。
また、噛み応えがあるものを食べてアゴをしっかり動かすことで脳は活性化し、目覚めの効果もあります。
固くて自然と噛む回数が増える玄米や根菜類、海藻、きのこ類などを上手に使った朝食を準備しましょう。朝からガッツリ食べるのは辛い、食欲がないという人はガムを噛むのも手です。糖分は脳に到達するのが早いので起き抜けに糖分を取るのも効果的です。
(3)朝活勉強は単調作業を繰り返すと眠くなる
学校の授業で居眠りをしてしまう理由は、先生の説明が単調でつまらなかったから、という記憶がある方も多いのではないでしょうか。単調でつまらないと昼夜限らず眠くなります。もともと眠いと感じやすい朝の時間ならなおさらです。朝の時間は、暗記作業や読書など、単調な勉強は向いていません。
眠っている間に前日までの未整理の記憶が整理されるので、朝は脳がクリアな状態です。クリエイティブな作業にせっかく適した時間に、いつでもできる単調作業を繰り返すのはもったいない話。具体的には単調な暗記作業や読書ではなく、自分で手を動かすノート作成がオススメです。
私の場合は、大学受験勉強の時も、趣味の資格試験勉強の時も、朝の時間を「オリジナル受験ノート」作成の時間に充てていました。教科書をもとに、想定問題集を自分で作るというものです。教科書の文章を自分なりに簡潔にまとめ、覚えなければいけない単語を文章中に [ ] で囲み、[ ] 内にオレンジのペンで単語を埋めていきます。
そこに赤いチェックシートをかぶせると、文字が消えるので繰り返し覚えることができるオリジナルノートができます。
写真が古くて小さいものしかないので見にくくてすみませんが、これはワインの勉強をしていたときのイタリアの地図と対応するワインの表です。
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自分で考えて問題集を作るので、いい頭の体操になりました。頭をフル回転させるため、眠くなることもなくなります。また、このノートを朝の時間に作っておくと、お昼休みや電車での移動中などのコマギレ時間に、そのノートに赤いシートを重ねて単語を暗記することができるので便利です。
■東京で朝活勉強できる場所を紹介
家で勉強する派の方もいらっしゃいますが、私は家だと勉強するためのモードが切り替わらないので、切り替えるために外での勉強を好んでしていました。会員制スペースやカフェなど、お金を使って投資すると「元をとらないと」という気持ちも生まれて勉強する後押しにもなります。
ここでは東京都内で外で勉強できるスペースを紹介します。
※情報は2019年4月時点のものです。最新情報はリンク先でご確認ください。
東京の会員制スペース
六本木:六本木ヒルズライブラリー
朝7時からオープン。月額9,000円(税別)で7:00〜24:00まで利用できます。会員対象イベントにも基本的に無料で参加できるほか、メンバー交流の場「メンバーズ・コミュニティ」に参加できます。勉強はひとりだと孤独で続けるモチベーションが下がるときがあるのでコミュニティがあるのは嬉しい。
渋谷・新宿・田町・茅場町・秋葉原・飯田橋・池袋・吉祥寺・国分寺:勉強カフェ
会員にならなくてもビジターで利用できるのが気軽な勉強カフェ。勉強スペースや勉強仲間との交流の場があり、1時間500円、1day2,500円で利用できます。ただし、場所によりオープン時間が違うので注意。
東京都内で早朝からオープンしている勉強カフェは以下です。
6時オープン:田町スタジオ、日本橋茅場町スタジオ
7時オープン:飯田橋スタジオ、吉祥寺スタジオ、渋谷スタジオ、新宿スタジオ
ちなみに勉強カフェは東京以外も川崎溝の口、横浜館内、名古屋、大阪吹田江坂にもあるそうです。
渋谷:STUDY LOUNGE
朝7時〜23時までオープン。渋谷駅新南口から徒歩1分と交通の便が良いところにある会員制自習室です。勉強スペースの他、会議スペースもレンタルできます。(会議スペースのレンタルは8時から)
平日07:00〜16:00、休日07:00〜23:00のバリュープランは、月額8,500円。ビジター利用も可能で、1時間600円、3時間1,500円です。
東京で早朝営業のカフェ・ファミレス
会社近くのカフェ、24時間営業のファミレスで勉強するのもオススメです。ただし、ファミレスは本来勉強する場ではないので、コーヒー一杯で粘る、というのではなく、たまには食事を頼んだり、混みすぎているときは遠慮したりという配慮が必要なのでご注意を。東京都内は7時オープンのカフェは多いので、今回は7時より前にオープンしていて、筆者が使ったことがあるチェーン系カフェを紹介します。
渋谷:エクセルシオール カフェ バリスタ 渋谷道玄坂店
■ 公式サイト
平日・土日祝日関係なく朝6時からオープンと、私の知る限り最も早いオープン時間のお店です。この時間の渋谷は夜の延長のようなカオス感ですが、ここは別世界。勉強している人が多く、皆が頑張っているのを見見るとやる気もでます。広いし綺麗だし静かなので朝勉強もはかどります。
赤坂見附:エクセルシオール カフェ ホテルザ・ビー赤坂見附店
■ 公式サイト
ホテル直結のせいか、朝6:45よりオープンしています。平日、土日祝日問わず朝早くオープン。席数も102席と広く、朝イチでゆったりした気分で勉強するのにおすすめ。
東京・大手町・日本橋:スターバックス八重洲地下街店
スタバの中ではとても貴重な、平日土日祝問わず6:30オープンのお店。日本橋に事務所があったときに良く使っていました。朝イチメンバーが大体一緒で、勝手に仲間意識を抱いていました。たまにいないと「あの人風邪ひいたのかな?」と心配になっていました(笑)
東京・大手町・日本橋:スターバックス八重洲さくら通り店
こちらも日本橋に事務所があった時によく行っていました。月~金: 06:30~22:30、土日祝: 07:00~22:30です。桜の季節は桜のアーチが見事です。
茅場町:PRONT茅場町店
茅場町で早朝に用事があったときに利用しました。平日は6:30~23:00、土曜日は8:00~21:00、日・祝は11:00~17:00です。席は110席ととても広いです。2Fが喫煙席が近く、ちょっと煙かったですが、1Fは禁煙です。
■朝活勉強はやらざるを得ない仕組み化が大切
このように、朝活勉強は様々なメリットがあります。朝7時からオープンしている朝活勉強ができる場所も徐々に広がっています。ただがむしゃらに頑張るというだけではなく、脳の特性や体の仕組みをうまく使い、「金の時間」である朝をぜひ有効活用していきましょう!
株式会社 朝6時 代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。個人に向けては朝活で人生計画を立てるコミュニティ「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。12年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。