朝活で座禅体験!初心者OKの東京座禅スポット紹介

こんにちは。池田千恵(@ikedachie)です。

座禅をすると心身が整うという話はよく聞くと思います。特に朝イチで座禅をしてから出社できたら仕事もはかどりそうですよね。

でも、細かい作法が分からなかったり、どこで開催されているか分からなかったり、肩をバシッと叩かれるかもしれないから怖い、どんな準備が必要か分からない、ひとりじゃちょっと行きづらい、お寺のサイトにも詳しく載っていない…などなど、ちょっとした「不安」が募り、敷居が高いと思いませんか?

筆者も長年座禅に興味があったのですが、なんとなく参加する勇気が出ずにチャレンジできませんでした。しかし、今回朝活手帳の取材をきっかけに思い切って東京・赤坂にある豊川稲荷東京別院にて開催されている「朝坐禅」に参加してみたところ、とてもすがすがしい気分になりました。その日は一日集中力も高く保つことができ「うわー、なんだこれは?気持ちいい〜!」と叫びたいような感覚に。これを機にぜひ習慣化したいと思いました。

世の中に座禅体験したい人が多いのに、怖い、行きづらい、なんとなく敷居が高い…という理由でチャレンジしないのはもったいない!ということで、今回は全くの座禅初心者である筆者の座禅体験をレポートします。

Contents

■座禅とは?座禅と坐禅の違いは?

座禅(坐禅)とは、座った状態で精神統一を行う、禅の修行のことです。

大辞林によると、次のように定義されていました。

仏教の中心的修行法の一つで、特に禅宗においては根幹をなす修行とされる瞑想法。状況に応じて変更することが許されるが、原則としては座布団の上に知りを起き、結跏趺坐(けっかふざ)し、手に法界定印(ほっかいじょういん)を結び、呼吸を穏やかにして、宗教的な精神の統一を実現する。

結跏趺坐、法界定印と耳慣れない言葉がでてきましたが(「座禅の手順とは?」で解説します)一定の型に沿って行われるものだそうです。

所要時間は大体30分〜40分ほど。これは、一炷(いっちゅう)=線香が一本燃えきる間の時間からきています。

座禅、坐禅、両方の表現がありますが、正式には「座禅」ではなく「坐禅」と書くそうです。「座」はすわる場所のことを指し、「坐」はすわる行為のことをさすためです。坐禅は「行為」であるため、本来なら「坐禅」と書くのが正しいですが、「坐」が常用漢字ではないため「座禅」という表記が広まり、一般的にも「座禅」と書いても間違いではないとのことでした。(ただ、禅寺のお坊さんからしてみたら、やはり「坐禅」と呼んで欲しいでしょうね…)

※今回の記事では、座禅初心者、朝活初心者の方が検索しやすくするために常用漢字の「座禅」を用いていますが、今回訪問した豊川稲荷東京別院の「朝坐禅」を紹介する場合は、「朝坐禅」が正式名称なので「坐禅」と表記します。

■朝活で座禅をすることのメリットは?

朝活座禅なら身ひとつで気軽にできる

足の組み方、手の置き方、姿勢の保ち方など独特のルールがあり、テレビなどで見るお坊さんが肩をバシッと叩くイメージが強いため敷居が高いように思われがちですが、一度「型」を覚えてしまえばいつでもどこでもできます。身ひとつでできて特に用具などの準備が必要がないため、ものすごく朝早く起きなくても、朝30分を座禅タイムとすることで、家でも手軽に実行することができます。

朝活座禅なら「ひとり朝活」を気軽に楽しめる

座禅では他人と会話することはありません。人見知りの人が朝活に参加しようと思うとけっこうハードルが高いですが、お寺の座禅会ならむしろひとり参加歓迎です。誰の目も気にすることなく、朝の精神集中ができます。

朝活で座禅をすることで心身が整えられる

朝イチで自分を大切にし、心と体のメンテナンスをする時間を私は「セルフチューニング」と呼んでいます。人間の身体を楽器になぞらえて、使う前に持っている能力を最大限に発揮するように調整するのです。静かに座り、呼吸や姿勢に意識を集中していると、前日の落ち込みや心の乱れを調節し、最高の自分を作る準備ができていくのを感じます。座禅では姿勢を整え、息を整えますが、そのプロセスがそのまま「セルフチューニング」となり、良い状態で一日をスタートさせることができます。

座禅では背筋をピンと伸ばし、まっすぐな姿勢をキープします。朝イチで姿勢を意識することで、ピシっと決めた「型」を維持しようという気持ちが働きます。姿勢が良くなると、目線が高くなり見える景色も変わります。

■座禅初心者はここに敷居の高さを感じる

このように多くのメリットがある朝座禅ですが、初心者としてはとっつきにくい、怖いイメージがつきまといます。理由は次のようなものです。

座禅の細かい作法が分からない

筆者が朝活座禅になかなかチャレンジできなかったとき、次のような心の声と葛藤していました。

  • 結跏趺坐(けっかふざ)、法界定印(ほっかいじょういん)、一炷(いっちゅう)といった難しい言葉や動作があって覚えるのが大変そう。自分にできるかな?
  • どのタイミングで礼をするのか分からない
  • 足がうまく組めないけど大丈夫?
  • 呼吸法に厳密なルールがあるの?

常連さんばっかりで、勝手に放っておかれたらどうしよう、何か質問できる雰囲気じゃなかったらどうしよう、という心配があったので、丁寧に最初から教えてくれるお寺ならいいなーと思いました。

座禅をどこで体験できるか分からない

「朝座禅」「朝活座禅」で検索してみると、「座禅できるお寺○選」といったようなものがたくさん出てきます。たくさん出てくるのは良いのですが、それぞれ何がポイントで、どんなスケジュールで、何時までで…という情報がまちまちで、ただ禅ができるお寺をざっくりまとめただけのようなものしかなかったため、思い切って行ってみるにもちょっとハードルが高く感じました。まあ、行けば分かるんだけど、行くまでの心理的壁があるんですよね。

「初心者OK」「気軽に入れる」と書いてあっても、何をどういう手順でやるのかが分からないと、やっぱりちゅうちょしますよね。

結局私はネットで調べた情報ではなく、マインドフルネスの日本における第一人者といわれている友人に直接おすすめを聞き、豊川稲荷東京別院の「朝坐禅」に行くことにしました。やはり知っている人、詳しい人に、信頼している人に聞くのが一番だと感じました。

座禅で叩かれるかも?と思うと怖い

テレビで小さいころ見たイメージは強烈に頭に残っています。座禅と言えば、「痛い!」と。姿勢がきちんと保たれていなかったり、眠ってしまったり、集中力が保たれていないとバシっと叩くあの棒は「響策(きょうさく)」というそうです。でも座禅体験で響策を使うお寺はごく一部。今回お邪魔した豊川稲荷東京別院の「朝坐禅」では使われていませんでした。イメージって怖いですよね。

座禅向けの服装が分からない

出社前の朝の時間に気軽に体験したい、朝ランニングの途中で体験したい、など、様々なニーズがあると思いますが、やはりお寺にお邪魔するので、どんな格好だと失礼がないかというのは心配ですよね。場違いな格好だと恥ずかしいなー、着替えをする場所はあるのかな?というのも、体験する前の心配ごとでした。

座禅会の情報がお寺のサイトに詳しく載っていない

座禅を体験できるお寺は実はたくさんあるのですが、お寺のサイトを見ても詳しい情報が載っていないことがほとんど。今回お邪魔した豊川稲荷東京別院は日時、場所、服装など詳しく載っているほうですが、カテゴリはなんと「ご祈祷・厄除け」になっていて、「ご祈祷・厄除け」のメニューをクリックして、だいぶ下までスクロールしないと情報が見つからないんですよね。余計なお世話ですが「サイトのトップに”朝坐禅”」というカテゴリを入れくれたらいいのにーと思いました。赤坂のオフィスワーカーで、朝座禅したい人たくさんいますよ〜。

■朝活座禅初心者には豊川稲荷東京別院「朝坐禅」がおすすめ

そこで、上記初心者の悩みを解消すべく、今回豊川稲荷東京別院「朝坐禅」に参加してきました。こちらの座禅は特に初心者にお勧めです!はじめてでも丁寧に教えてくださり、とても気持ちがスッキリした上楽しかったです。

豊川稲荷東京別院とは

豊川稲荷東京別院とは、「日本三大稲荷」として有名な愛知県豊川市にある曹洞宗の寺院「豊川稲荷」の直轄別院です。お稲荷さんがいらっしゃるので神社なのかな?と思い込んでいましたが、お寺です。

豊川稲荷東京別院「朝坐禅」(赤坂見附)

豊川稲荷東京別院では、朝から調身(ちょうしん:身体を調える)、調息(ちょうそく:息を調える)、調心(ちょうしん:心を調える)を行うことで有意義で落ちついた一日を過ごすことを目的に平成27年3月より坐禅会を開始しました。30分の坐禅の後、任意参加でご祈祷も受けることができます。女性はズボン着用(更衣室あり)。

<場所・頻度・時間・参加費>
場所:東京都港区元赤坂1-4-7 豊川稲荷東京別院 2階法輪閣
頻度:第2、第4火曜日 ※但し、1、2、8月 は休講
時間:午前6時30分〜7時00分まで坐禅。坐禅のあと、参加者皆さんのご祈祷(任意参加。7時30分ごろまで)
参加費:500円

公式サイトはこちら

座禅の予約は必要?

事前予約は不要です。午前6時30分スタートで、ぎりぎりだとバタバタして他の参加者にも迷惑がかかるため、遅くとも10分前の6時20分には受付を終了するのがおすすめです。

座禅の服装はどんなもの?

動きやすい格好なら何でもOK。ただし、女性はスカートではなくズボンを着用してください。(更衣室もあるので着替えを持ってくればOK)また、坐禅の際は靴下を脱ぎ裸足になります。

座禅のタイムスケジュールは?

  • 受付(遅くとも6:20ごろまでには受付するのをおすすめします)
  • 6:30〜7:00 座禅
  • 7:00〜7:10 休憩(お茶がでます)
  • 7:10〜7:30ごろ ご祈祷(任意参加)

座禅の参加人数は?男女比はどのくらい?

普段は15〜6人くらいだそうですが、今回お邪魔した2019年6月11日は史上最大人数の28人だったそうです。男女比は8:2くらいで女性が多め。20代後半〜40代の女性が多い印象でした。

座禅の受付はどこでする?

本堂の右手に祈祷受付所があります。受付にいらっしゃるお坊さんに会費500円をお渡しし、靴を脱いで2階法輪閣に上がります。

2階に上がると、文殊菩薩様がいらっしゃいます。こちらが朝坐禅の会場「法輪閣」です。手前のじゅうたんのところに椅子があるのでそこに荷物を置きます。

こちらの黒いクッションは座蒲(ざふ)といいます。座禅用の座布団です。曹洞宗では円形状、臨済宗では長方形状のものを使うそうです。こちらを、両手の親指・中指・人差し指で胸の前に持ち、一礼して座禅堂に入ります。

座禅の手順とは?

以下、今回教えてもらった座禅の手順です。はじめての人にはお坊さんが丁寧に教えてくださるので安心です。

(1)座蒲(ざふ)を整える

ヨガマットが敷かれている、座禅を組む場所に移動します。座蒲をおき、座ります。坐蒲(ざふ:座禅用の座布団)を名札が自分側に来るように置き、形を整えます。

(2)合掌する

次に、隣位問訊(りんいもんじん)=自分の座る位置に向かって合掌、対坐問訊(たいざもんじん)=座る向かいの人に向かって合掌します。

(3)座る

座り方は、結跏趺坐(けっかふざ)=右の足を左の股の上に、左の足を右の股の上にのせる座り方、もしくは、半跏趺坐(はんかふざ)=左の足を右の股の上にのせる座り方をします。難しい場合は無理のない形で左足を右ももの下に入れます。

(4)手を組む

法界定印(ほっかいじょういん)という形に手を組みます。右手を左の足の上におき、その上に左の手をのせ、右手の指の上に左の指が重なるように親指を合わせます。親指は軽く触れる形にキープします(これが意外と難しかった!気付くと親指が離れてしまう…)

(5)姿勢を整える

背筋を伸ばし、坐蒲(座禅ようの座布団)の上から腰をすこし動かしつつ安定した位置を探ります。天井から頭を引っ張られているような感じをイメージして、まっすぐ座ります。耳と肩が一直線に揃っていることを意識します。

(6)目を半分開いたままにする

半眼(はんがん)といって、自然に目を開いたまま、視線を1メートルほど先の斜め45度の場所におきます。

(7)呼吸を意識する

鼻から息を吸い込み、口から静かに吐き出すのを数回繰り返したあと、自然な鼻からの呼吸にまかせます。

(8)鐘の合図がなるまでそのままキープ

この状態で7時まで、静かにこの姿勢をキープします。雑念多き人生なので、あれやこれや考えが浮かんできましたが、徐々に視界がぼんやりしてきて、自分と外の境界線があいまいとなっていくような不思議な感覚になりました。もしかして、これが「無」なのか?どうなのか?

(9)お坊さんからの一言メッセージ

鐘の合図がなったあと、合掌し、お坊さんからの短いお話がありました。

今回の話は次のようなお話でした

  • 坐禅とは、調身(ちょうしん)=身を調える、調息(ちょうそく)=息を整える、調心(ちょうしん)=心を調える、が三位一体となったもの
  • 朝坐禅をするとこの三つが調えられ、落ちついた有意義が一日を送ることができる

座禅のあとはご祈祷へ

座禅終了後は一階のご祈祷待合室に移動します。そこでは煎茶をいただくことができました。ほっと一息ついたあと、ご祈祷に入ります。

すでに始まっているご祈祷の場にそっと入ります。写真撮影禁止なので写真はありませんが、お経と太鼓の音がものすごい迫力です。正座をして手を合わせつつ、お経と太鼓のリズムに身を委ねると、何か異世界にタイムスリップしたような感覚になりました。

ご祈祷料は普段は5,000円以上だそうですが、朝坐禅参加者は参加費の500円で受けることができます。「坐禅会参加者一同」と読み上げていただき、家内安全・心願成就・諸災消除をしていただけました。座禅会は至るお寺で開催されていますが、ご祈祷までしていただけるところはほとんどないのではないでしょうか。

「朝坐禅」終了後、お坊さんに「どうして普段5,000円以上するご祈祷を、朝坐禅ではしていただけるのですか?」と聞いたところ、せっかく朝来て頂いているので坐禅の他にも体験していただきたいから、という話でした。ありがたやー!

なお、ご祈祷後、お賽銭箱がたくさんあります。もちろん気持ちですが、小銭はたくさん用意したほうが良いかもしれません。

■朝活座禅で充実した一日をはじめよう

座禅とご祈祷が終わっても、まだ7時半ということに驚き!一日がとても長く感じられました。朝活手帳の取材でお坊さんにお話を伺ったあともまだ8時前。まだ参拝客も少ない豊川稲荷さんをじっくりお参りするのもよし、近くの朝カフェでモーニングするのもよし。始業までにはまだまだ時間があります。ちなみに筆者はこの後、青山一丁目のトラヤカフェ青山店でモーニングを楽しみました。

朝から身体・呼吸・姿勢を整え、最高の一日をスタートさせるためにも、これを機に朝活座禅にチャレンジしてみませんか?


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