こんにちは。池田千恵(@ikedachie)です。
朝活を始めたい!と思ったとき気になるのは、他の人は何時に起きて何時に寝ているか、仕事までの時間をどうやって過ごしているのか、といったスケジュールです。特にひとり暮らしと違い、ワーママや共働き家庭は自分ひとりでは決められないことも多く、家族との時間のすりあわせも難しいです。自分がコントロールできない事情で十分な睡眠時間が取れなかったりすると朝活のモチベーションも下がりがちですよね。
そこで、朝4時起きで3歳児を育てながら会社を経営し、ワーママ、社会人に時間の使い方をアドバイスして10年の筆者がワーママや共働き家庭の朝活スケジュールの作り方のコツを紹介します。
Contents
■朝活スケジュールをワーママ・共働きが立てる際の問題点とは
朝活を始めたい!と思ったワーママ・共働き家庭が最初に直面する課題は「読めない時間」との戦いです。自分の意志でコントロールできないことが増えると、朝活しようとしてもなかなかできず、できないことが続くとモチベーションが下がり「もういいや!」と諦めたくなってしまいますよね。具体的には次のような問題が生じます。
家族との時間のすりあわせが難しい
一人暮らしのときや独身時代は何時に起きても、何時に寝ても自由だった人も、家族と一緒に暮らすとなるとパートナーや子どもの都合があるので、なかなか自分の時間を自由に使うのは難しいものです。
自分のためだけの自由な時間が欲しいと、頑張って朝活しようとしても
- 子どもが気配を感じて一緒に起きてきてしまった
- 子どもを早く寝かしつけて自分も寝たいのに「寝ろ寝ろオーラ」のせいか全然寝てくれない
- 子どもの急な発熱で仕事が中途半端なまま帰宅することに
- 時短勤務で短時間で成果を上げなければいけない
- 家族の晩ご飯の用意があるかどうかでスケジュールが変わってしまう
- パートナーの残業の帰りを待っているうちに寝るのが遅くなってしまった
といったことは日常茶飯事です。
コントロールできないことが増えるとやる気をなくす
計画通りに進めたいから朝活しようと思っているのに、「計画通りにいかない」ことがデフォルトになってしまい、常態化すると「私には朝活は無理なのではないか…」と気が弱くなってしまうのも無理はありません。
このように、なかなか自分ひとりではコントロールできない要因での朝活失敗を「自分の意志が弱いからだ」「もっとがんばらないと」と意志のせいにしてはいけません。朝活できないのは頑張りや気合いが足りないからではありません。仕組み作りがまずいだけなのです。
■朝活スケジュールをワーママ・共働きが立てる時の2つのポイント
では、どう仕組み化すれば良いのでしょうか。思うように時間が作れないワーママ・共働き家庭が朝活スケジュールを立てる際、コツは2つあります。
1. 朝活スケジュールをパターン化する
2. 朝活スケジュールにバックアッププランを立てる
順番に解説しましょう。
1. 朝活スケジュールをパターン化する
パターン化とは、ここでは「毎日同じパターンを淡々と繰り返し、余計なことに頭を使わないようにするために前もって流れを決めておくこと」を言います。
こういうときはこうする、というルールをきちんと作っておかないと、何かあったときに判断に迷い、余計な時間を取られてしまいます。特例で脳のキャパを奪わないためにも淡々と進めるスケジュールを作っておくことが大切です。
パターン化をせずいきなり朝活すると、気分に流されて「今日はまあ、いいか」という「やらない理由」を探してしまい習慣が定着しません。
早起きしてすべきことのパターンを前もって決めておくと、朝起きたときの眠気に流されることもなくなります。新しい習慣を定着させるには大体10日〜2週間かかるので、その間淡々と続けられるスケジュールを作ってみましょう。
慣れてくると、朝歯磨きをしないと気持ち悪いと思うのと同様、同じパターンで動かないことに違和感を感じるようになります。こうなったらしめたものです。パターン化ができれば、あとは淡々とスケジュールにそって動くだけです。
もちろん最初は試行錯誤があるかと思いますが、最適なパターンが分かったら、いかにそのパターンを粛々と進めるかに注力しましょう。
2. 朝活スケジュールにバックアッププランを立てる
同時に、スケジュール通りいかなかったときのバックアッププランを立てることも大切です。特に時間が読めないワーママ・共働き家庭ではバックアッププランをいかに立てるかがキモです。自分にとって最高の、理想のスケジュールだけを作ってしまうと、うまくいかなかったときに落ち込んで朝活を続ける気をなくしてしまうからです。
1つのスケジュールだけだと、スケジュール通りにいかなかったとき「ダメだった」と落ち込みますが、バックアッププランを作っておくと、理想のパターンは実践できなくても、第2、第3のプランは実行できた!と、意識が切り替わり、朝活のモチベーションが続きます。
例えば私の場合は、「朝活松竹梅」を設定し、パターンごとに朝することを決めています。(後述します)
松パターン:朝4時起きできて、子どもは6時まで寝ている(朝イチの自分の時間が2時間)
竹パターン: 朝5時起床で、子どもは6時まで寝ている(朝イチの自分の時間が1時間)
梅パターン: 子どもと同時に6時起き、もしくは子どもも朝4時起き(朝イチの自分の時間がゼロ)
■朝活スケジュール パターン化とバックアッププランの事例
では具体的にどのようなスケジュールがあるか、具体的な例を挙げながら解説していきましょう。
朝活スケジュール:ワーママの例
ワーママのパターン化スケジュールはこう作る
夜の家事を一気に、スムーズに片付けるため、朝活を「仕込みの時間」にしている方の例です。21時〜24時の時間を自分のための時間とすることを意識し、朝の時間は夕食を温めるだけにしておいたり、掃除をしておいたりして準備をしています。時々子どもが寝たあとにパートナーに子どもを見てもらい会社の飲み会にも出たりもしています。
ワーママのバックアッププランはこう作る
この方は普段から予備日、予備時間をつくるようにしているそうです。キツキツのスケジュールを立てるとパンクしてしまうので、
- 子どもの突然の熱にも対応できるよう、水曜日に提出しなければいけない資料は月曜に作り終えるようにする
- 21時以降の家事は「残業」扱いにして残業を回避するよう逆算して効率化する
といった工夫をしています。
朝活スケジュール:既婚共働き、子どもがいない場合の例
既婚共働きのパターン化スケジュールはこう作る
最初に紹介したワーママは21時〜24時の「ひとり時間」のために徹底的に朝を効率化していましたが、こちらの方は朝6時半〜8時半を「ひとり時間」としています。朝しっかりと自分の時間を作ることができれば、夜はのんびりできますね。朝食はパートナーとは別で先に自分だけ家でとり、パートナーはソトアサだそうです。朝時間が取れないぶん、夜の会話を重視しているそうです。
既婚共働きのバックアッププランはこう作る
子どもがいない場合、予測できない突発事項は仕事がメインです。この方の場合は朝6時半〜朝8時半の自分のためだけの時間を、繁忙期は仕事に充てることで夜の残業をなるべく回避するようにしています。そのことによって、朝も夜も仕事漬けになってしまって疲労する、という状態にはなりません。
普段から会社でも「早起きキャラ」をアピールしていて、残業になりそうになったときも「朝なら何時でも早くこれるので、朝までに机に置いておいてもらえれば仕上げておきます」といったように交渉しているそうです。会社によっては朝残業ができないところもあるので終業規則は確認する必要はありますが、応用できる手もありそうですよね。
朝活スケジュール:フリーランスの例
フリーランスのパターン化スケジュールはこう作る
時間を自由に使えるのがフリーランスの良さでもあります。でも自由に使える分、スケジュールを立てておかないとダラダラしがちですよね。この方はランニングを趣味としています。外をランニングするとき冬期は真っ暗で危なかったり、寒かったりするので日照時間によってパターン分けしています。さらに仕組み化として、自宅で仕事をするとメリハリがつかないので電車で移動するシェアオフィスを借りているそうです。
フリーランスのバックアッププランはこう作る
フリーランスは特に、自分が動かないと回らない繁忙期がつきものです。「繁忙期だから朝活できない」と考えてしまうとモチベーションは下がりますが、「繁忙期のスケジュールはこうする」と最初から決めておけば、決めた計画を淡々と進めるだけなので気持ちも落ちつきます。上記の方のように
- 夏期・冬期別
- 繁忙期・そうでない時期別
というようにパターン分けしておくのをおすすめします。
朝活スケジュール:筆者(会社経営ワーママ)の例
会社経営者のパターン化スケジュールはこう作る
最後に筆者の例を紹介します。子どもは成長とともに生活パターンがどんどん変わるので、やっと定着した習慣が通用しなくなるのも早いため、今後も状況により変化していくと思いますが、現在は上記のパターンで自分の時間を朝イチと、子どもを保育園に預けてから取るようにしています。朝イチの時間は子ども次第なので取れたり取れなかったりしますが、始業前に心を落ち着ける自分の時間は必ず取るようにしています。
※睡眠時間の調整方法については過去記事のこちらのリンクもご参照ください。
会社経営者のバックアッププランはこう作る
「自分の決めた予定通りにいかない」とストレスをためないための対策として、「朝活松竹梅」を設定し、パターンごとに朝することを決めています。
松パターン:朝4時起きできて、子どもは6時まで寝ている(朝イチの自分の時間が2時間)
竹パターン: 朝5時起床で、子どもは6時まで寝ている(朝イチの自分の時間が1時間)
梅パターン: 子どもと同時に6時起き、もしくは子どもも朝4時起き(朝イチの自分の時間がゼロ)
さらに、パターン別にできることをピックアップしておきます。
- 松パターンのときにできること:アマゾンプライムビデオを見ながら腹筋・スクワット、化粧、朝活手帳で今後の準備
- 竹パターンのときにできること:アマゾンプライムビデオを見ながら腹筋・スクワット、化粧
- 松パターンのときにできること:息子の朝食や保育園準備
このように「こんな場合はこうする」を前もって決めておけば、「やろうと思ったのにできなかった」と自分の意志の弱さを嘆くことはなくなります。
■朝活スケジュールは「決めグセ」がポイント
なんとなく過ぎてしまう毎日の出来事の意味をひとつひとつ考え、「やる!」と決めてやるか、なんとなく過ごすかで、1日の達成感と充実感がまるで変わってきます。
「なんとなく、朝活したら人生が良くなるかもしれないからやってみよう」という気持ちでは朝活できません。まずは「やる!」と決め、スケジュールを立て、それを淡々とこなしながら調整していくことがポイントです。
今回お伝えしたスケジュール作成は松竹梅やバックアッププランなどの小さい「決める」ですが、人生は「決める」ことの積み重ねです。小さい決めるができないと、そのうち自分がどうしたいかまで相手に決めてもらわないといけなくなって、自分の人生のハンドルを握れなくなってしまいます。
自分自身が日々の作業をどう判断するか、立ち位置を明確にしていきましょう。小さい「決める」ができるようになってくると、自ずと大きい「決める」もできるようになってきますよ。
株式会社 朝6時 代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。個人に向けては朝活で人生計画を立てるコミュニティ「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。12年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。