おはようございます!池田千恵(@ikedachie)です。
2022年5月1日発売「家庭画報 2022年6月号」の特集「朝活のすすめ」を監修しました。
素敵な邸宅や手の込んだお料理、きらめく宝石などときめく数々の中のひとつとして朝活体験を紹介しました。
具体的には、朝シャン(朝からシャンパーニュ)できるホテル朝食や、素敵庭園を朝から散策できるホテル、朝おすすめの行動(朝日浴、月光浴、モーニングページ、オンライン朝食会、ウォーキングなど)を解説しています。
家庭画報さんは「成熟世代」つまり、ミドル〜シニア世代の方向けの雑誌です。
今回誌面で紹介したのはごく一部だったので、誌面のの都合でお伝えしきれなかったミドル〜シニア世代が朝活を実践することのメリットについて、さらに深く掘り下げてお伝えします。
Contents
■朝活に目覚めたきっかけと、その後の変化
なぜ、いつ、どのタイミングで朝活に目覚めたんですか?は、多くの方によく聞かれる質問ですので、あらためてこちらでも紹介します。
私はもともと夜型でしたが、大学受験の2度の失敗をきっかけに「今までの延長線上に未来はない」と考え、夜型から朝型にシフトチェンジをしました。
朝型シフトを決心したのが9月。大学受験まで半年しかなかったのですが、すべきことを選択・集中した結果、志望大学にやっと合格。これが最初の朝活成功体験です。
ただ、その後気が抜けてしまったのと、早起きする必要性がなかったので大学時代は授業がなければお昼くらいまで寝る生活に戻りました。
パッとしない大学生活を送り、就職活動の時期に。就職氷河期の影響をもろに受け就職活動はほぼ全滅。やっと入れてもらった会社でもなかなか芽が出ず、20代で窓際社員になりかけたとき、早起きで人生を変えたことを思い出しました。
「そういえば私、早起きで人生変えたんだった」
ということで再度朝活チャレンジ。徐々に人生がうまく回り出し、現在に至ります。
きっかけについてさらにくわしくは、プロフィールにも書いていますので、よかったら読んでみてください。
また、早起きの具体的な方法については拙著『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』や『「朝1時間」ですべてが変わる モーニングルーティン』でも紹介しています。
■朝活に切り替えてよかったと思う最大の出来事は?
一番良かったなーと思うのは、前向きになれたことです。私はもともとネガティブなことを考えがちで、自信がない性格ですが「夜のクヨクヨより朝のクヨクヨ!」不安な気持ちが湧き上がったらさっさと寝てしまい、朝考えるようにしています。
夜思い悩むと「ああすればよかった」「こうすればよかった」とやってしまったことの後悔ばかり思い浮かんでしまいますので、「私は朝、生まれ変わる」と暗示をかけます。そして朝、同じことを考え直すとあら不思議。物事の捉え方が変わって、事実を事実として客観的に見つめることができるようになります。
過ぎたことに悔やまずに前に進めることができるようになったことが、大きな収穫です。
これは科学的にも証明されています。早起きして網膜に早く光を当てると心身の安定や安らぎに寄与する「セロトニン」が分泌されます。また、睡眠で記憶や感情経験が整理整頓されるため、脳にとって朝がいちばん「飽きない」状態です。クリアな頭で生産的な考えや、未来志向の考えを巡らせることができます。
さらに、朝セロトニンをしっかり分泌させると、自然な眠りを誘うメラトニンが多く分泌され、良く眠ることができるので規則正しい生活を送ることができます。
さらに詳しい朝活のメリットは、以下リンクでまとめてあります。
■ミドル世代が朝活を行う意義とは?
朝活は、自分の価値観・優先順位を明らかにし「自分の命の使い方」の割り振り能力が身につく習慣だと私は考えています。
早寝早起きをするためには当然、早く寝なければいけません。一日のスケジュールを見直し、自分の価値観・優先順位を明らかにするということは、日々、「自分の命の使い方」を割り振る決断をするということに繋がります。
「自分の命の使い方」を自分で決めることは、実はミドル世代こそ、今から訓練しておくべきことだと私は考えています。
長年会社務めを続けて頑張ってきたミドル世代は、会社がずっと面倒を見てくれる安心と引き換えに、転勤やジョブローテーションを受け入れ、愛社精神のもと目の前のことに一生懸命取り組みながらゼネラリストとして成長してきました。
今まではそれでよかったのかもしれませんが、これからは定年を迎えた60代になっても、年金支給がどんどん遅くなる可能性が高いため、突然社会に放り出される可能性が高くなります。その後数十年、生活を成り立たせる必要があるなら、自分の力で稼ぐためにどうすればよいか考えておかなければいけません。
つまり、会社頼みで会社に指示されて動く思考回路から徐々に脱却していく必要があるのです。
とはいえ、子育てや家族の都合、仕事での責任がどんどん肩にのしかかるミドル世代、なかなか今後の人生戦略まで考える時間はとれませんよね。
そんなときこそ朝活です!
朝は自分さえ早く起きれば確実に自分の時間が取れるため、自分に人生の主導権があると思うことができます。
朝活は
- 思い立ったらすぐにでも実行できて
- お金をかけずに始めることができて
- 人生における取捨選択力が身について
- 毎日「できた」を積み上げることができて
- 自分に自信を持つことができる
すばらしい習慣です。
■ミドル世代に朝活をおすすめする理由は?
「家庭画報」を購読されている成熟世代の方に、朝活をおすすめする理由について、取材では質問を受けました。
ポイントは3つあると考えています。
ミドル世代の朝活メリット1:
年齢的にも自然に早く目覚めることができ、無理なく朝活を始められる
私もアラフィフなので実感していますが、昔に比べて自然に朝はやく目覚めるので、朝起きるのが苦もなくできるようになってきました(笑)体内時計は年齢を重ねていくことによって、早寝早起きのリズムに変化するそうです。苦労しなくてもスムーズに早起きシフトすることができる方が多いので、スタート時の苦痛が軽減されます。
ミドル世代の朝活メリット2:
朝活している人は「あれもこれも」と人生に貪欲で、エネルギッシュな人が多く、第二の人生を考える上での刺激になる
私は朝活したい人たちを親しみを込めて「あれもこれも族」と名付けています。日中の活動時間よりも、もっともっと自分の時間がほしい、いろいろ実現したいと、人生に貪欲でエネルギッシュな方たちです。今はオンラインでの交流も盛んなので、Zoom朝活などに参加することで、今までと違う職種、属性、年代の方と幅広く交流することができます。
人生100年時代と言われています。40代を一区切りとして第二の人生を考え直すためにも、全国、世界への異業種コミュニケーションの機会となる朝活に参加してみることをおすすめします。
全く違う分野との交流で、いままで凝り固まっていた価値観が解き放たれます。仕事や地域の交流は利害関係でつながることが多いですが、興味や趣味でつながる友人は利害関係がなく、一生付き合える貴重なつながりとなります。
筆者が主催する「攻めの朝活コミュニティ」朝キャリはアメリカ、韓国、オーストラリア、イギリスからもメンバーが参加しています。職種も主婦、会社員やフリーランス、会社経営などさまざまなので、多様な視点が得られます。
ミドル世代の朝活メリット3:
「朝の学び直し」で、生きがいとしてのスモールビジネスを始める機会にも
ミドル世代の方は社会経験が豊富です。朝の異業種交流をきっかけに、今まで長年働いたり、家事や地域活動をしたりしてきた中で言語化できなかった経験やスキル(コミュニケーション能力や交渉力など)を、時間やお金に余裕がある今、学問的に捉え直したり、異業種の方と交流したりすることで、当たり前にやっていたことが当たり前でなかったことに気付くことも多いです。
今や60歳、65歳で定年になる時代ではなく、定年後を見据えた働き方を考えていくことが必要となってきます。定年後も何十年も生活していくためには、自分には何ができて、何が好きで、どういう活動で喜ばれたいか。今までの経験を棚卸しして、生きがいとなるスモールビジネスで細く長くやりがいがある仕事をし続けるのも選択肢としてはアリだと思いませんか?
準備にも、前向きな気持ちで、邪魔が入らず取り組める朝活は最適です。
■朝活できないミドル世代に効果的なアドバイスは?
とはいっても、朝活は生活習慣を変えることにつながるため、やはりリズムをつかむまでに時間がかかったり、家族の都合で夜寝るのが遅くなってしまったりと、うまく行かないときもあると思います。
朝活定着のポイントは、「できなかった」ではなく「できた」を数えることです。
自分にとって最高の朝活スケジュールだけを作ってしまうと、「できた」「できなかった」の二元論になってしまいます。毎日、最高のスケジュールをきっちり実行できる人などいないので、「できなかった」で落ち込まないような工夫が必要です。
具体的には、朝活を「松竹梅」でレベル分けすることをおすすめしています。
「松」:自分の理想とする早起きができて、時間を有効に使えたなど最高の過ごし方ができた場合
「竹」:時間通りには起きられなかったけれど、少し時間が作れた場合
「梅」:朝活としてはほとんど何もできなかったけれど、睡眠時間は取れた、朝日を浴びることができたなど、「できた」ことを数えられた場合
朝活松竹梅については、詳しく別記事にまとめていますので、よかったらご覧ください。
■ミドル世代のモーニングルーティンやおすすめホテルモーニングは家庭画報本誌でご紹介
「家庭画報 2022年6月号」では、他にも池田流モーニングルーティン、朝から楽しめるラグジュアリーなホテルモーニングなども紹介ました。よかったらお手にとってみてくださいね。
株式会社 朝6時 代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。個人に向けては朝活で人生計画を立てるコミュニティ「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。12年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。