好きなことを仕事にするのは難しい?好きを仕事にした実体験紹介

おはようございます!池田千恵(@ikedachie)です。

「好きを仕事にしたい」「自分らしく仕事をしたい」「自由に生きたい」と、誰しも一度は思ったことがあるでしょう。

一方で、「好きを仕事にしないほうがいい」「好きを仕事にすると失敗する」という意見があるのも事実。嫁ブロック、親ブロックという言葉もあるように、「食べていけない」不安から、好きを仕事にする、イコール、難しいと考え、やりたいことに蓋をして今まで生きてきた人もいるかもしれません。

息子4歳が夢中になって見ているアニメには、夢を諦めきれずに奮闘したり、やりたいことが見つかって輝き出したりする主人公がたくさん登場します。勇気をもらえて元気がでるし楽しいけど、みんながみんな「これこそが私の夢だ!」とワクワクして邁進していけるかというと、そうでもないような気がしています。

正直いって、さかなクンみたいに「小さいころから好きで好きでたまらなくて、これを仕事にすること以外考えられない」「夢中になって魚を調べていたらいつのまにか仕事になっちゃった」なんていう経験は、普通の人はないはず。(もちろん私もないです)

自分だってさかなクンみたいに夢中になれるものが見つかるはず!と「天職探し」を続けると、いつまでも夢追い人になってしまう可能性もあり、食べていけない。

一方で「ワクワクを追い求めれば自然に天職がみつかる!」という人もいるし、実際にそれで生活できている人もいるようです。

果たして、「好きを仕事に」とは、一体どういうことなのでしょうか?今回は私の実体験から考えてみます。

■好きなことを仕事にすると嫌いになるのか

「好きなことを仕事にすると嫌いになるからやめたほうがいいよ」という説はよく聞きます。最初に「好きなことを仕事にすると嫌いになる」理由について紹介します。

好きなことを仕事にすると嫌いになるという人の言い分

好きなことを仕事にするには覚悟が必要

好きなことを仕事にするには、イチロー選手のように自分を律して、淡々とルーティンをこなす継続力や、つらいことがあってもくじけない自分の軸が必要だ。そこまでの覚悟がない中途半端な状態なら、やめたほうがいい!

好きなことを仕事にするにはお金のためと割り切る必要がある

好きなことと「売れる」ことは違うことが多い。よって、お金のためなら理不尽なことに耐えることが必要だし、費用とサービスのバランスを探る必要がある。純粋な「好き」を大事にしたいなら、むしろお金のことを考えないほうがいい!

仕事は「ガマン料」なので好きなことを仕事にはできない

仕事とは満員電車や無駄な会議、理不尽な要求を飲んだ上で安定した給料を貰えるもの。つまり「ガマン料」だ。だからガマンしない仕事なんてありえない!

好きなことを仕事にしてうまく行かなかったとき、立ち直れない

好きなことでチャレンジし、挫折したらどうするのか。挫折をして二度と立ち直れなくなるくらいなら、いっそのこと夢なんて追わないほうがいい!身の丈で無理しないのが一番だ!

■好きなことを仕事にするのは本当に難しいのか?

上記意見はどれも、もっともらしいですよね。しかし私は、好きなことを仕事にすると嫌いになる説は「半分本当で半分ウソ」だと考えています。というのも、どの面を見るかによっても解釈が変わってくるからです。

人の夢を「そんなの無理だよ」とつぶす人を「ドリームキラー」といいます。しかし、「君ならできるよ!」と安易に夢をすすめることは、かえって無責任になることも。

「ドリームキラー」か、「無責任ヤロー」か。物事は多面的にみる必要がありますので、反対意見も聞きつつ、メリット・デメリットをきちんと把握していきましょう。

「好きを仕事に」はポイントを押さえれば可能

私は「好きを仕事に」はポイントを押さえれば可能だと考えています。

実際私は、自分が大好きで使命感をもち、多くの人に広めたいと考えている「朝活」を職業とすることができています。といっても、最初から朝活サイコー!大好き!私のミッションは朝活を広めることだ!と思っていたわけではありません。

「好きを仕事にできない」という人と、「好きを仕事にできる」という人は、同じ「好き」でも、「好き」の捉え方が違うのです。

では、私自身「好きを仕事に」に至るまでどのようなプロセスを経たかを紹介します。

嫌いな仕事の中に「好きを仕事に」のヒントがある

新型コロナウイルスショックを経て、「そもそもやる意味があるのか?」と思う仕事は消えつつあります。これからは、誰かに強制されなくても自分の頭で考え、将来の「こうなりたい!」に向けて自分をしっかりとマネジメントする仕事の仕方が必要となります。つまり、好きなことじゃないと、そもそも続かないわけです。よって、仕事が遊び、遊びが仕事の時代がくると思われます。

一方で、「そこまでの情熱を持てるような ”好き” が見つからない」と悩む人も増えるでしょう。どうしたらいいんだ…と途方にくれる人もいるかもしれません。

そんなときは「隠れ好き」を探してみましょう。嫌だったりユウウツだったり、つらかったりするもの、でもどうしてもそれを求めざるを得ないものは、実は「隠れ好き」なのかもしれません。

ダメな自分を目の当たりにするけれど、それでも諦めきれずに理想の未来を求めて努力する。楽しくなんてなくて、毎回悔しい思いで眠れないのに、それでも、どうしてもやめられない。そんな経験、ありませんか?

私にとっての「隠れ好き」が、早起きでした。そして今は表立って「好き」になりました。

最初から「早起きがすばらしい!と思っていたわけではなく、今までの自分が心底嫌で、リセットするには今までの延長線上にないことをしよう!と思ったから「早起き」を始めたわけです。辛くて苦しくて、何度もやめようと思ったけどやめられないことを続けていくうちに、どんどん好きになっていったプロセスがあり、今好きな仕事をしています。

そのあたりについては自己紹介でも詳しく書いています。

相手に喜ばれるうちに嫌いな仕事が好きになることも

私は朝活のほかに、プレゼンや資料作成の方法を研修や講演で教えることが多いです。しかし、まさか自分がそんな仕事をするとは思いもよりませんでした。もともとはひどいあがり症で赤面症だったのです。

人前に立つと思うと3日前からユウウツで仕方がなかったし、カンペを持つ手が震えて、ここ一番のプレゼンでどこを読んでいるか分からなくなって固まったこともあります。

でも、そんな自分でも、一生懸命準備したスライドが分かりやすいと言ってもらえたこと、ためになったと言ってもらえること。その一言が嬉しくて、どうしてもうまくなりたい!と、プレゼンの手法や図解を徹底的に分析し、口ベタでもあがり症でも話せるためにはどうしたら良いかを研究しました。プレゼンの前には必ず、自分ひとりで大きな鏡でリハーサルを続けました。

そんなことを続けた結果、プレゼンや図解の本を出せるようになり、講師としてプレゼンを教えることができるようになりました。今も緊張して胃が痛くなることもあるし、取りかかる前はユウウツになったりもするけれど、受講生が変わっていく姿を見ると、やっていて良かった、と思います。

過去の経験を「棚卸し」して、自分の創意工夫が実った経験はないでしょうか?そこを探ると、あなたの「好き」が見えてくるかもしれません。

好きでもない仕事も、価値があるとわかると好きになる

私が資料作成やプレゼン資料作成が苦もなくできるのは「たまたま」前職で資料作成の専門部署にいたからです。外にでるまでは「うちの部署はみんなできることだし、たいしたことがない」と思っていましたが、いざ独立してみると、資料作成術やプレゼンのコツとツボを知りたい方がたくさんいることに気づきました。プレゼンや資料作成についての研修に呼ばれて重宝がられるようになり、本も出すことができました。「勉強になった」「助かった」の声をいただき、プレゼンや資料作成の仕事が好きになりました。

このように、あなたの「普通」は、誰かの「すごい」になる可能性が高いです。

例えば私は今後、秘書スキルが将来有望だと考えています。今はSNSでプレイヤーの活躍が見えすぎる世の中なので「私には何もない」と思ってしまいがちですが、こぼれ球を拾ったり、プレイヤーを支えたりする働き方は絶対重要だし意義があるからです。

プレイヤーは、サポーターがいてこそプレイヤーになれます。突出している能力があるプレイヤーの中には事務処理能力など仕事の基礎力が壊滅的な人がけっこう多いので、そういうのをまるっと一手に引き受けられるサポーターがいたら絶対手放せません。プレイヤーの成長とともに任される仕事のスケールも大きくなっていくので、夢を応援することで、自分の夢を現実にすることができます。

サポートする立場だから見えることもあります。例えば権威ある人にはいい顔をするけれど、アシスタント的な人に横柄な態度をとる人はけっこう多いし、実際ショボイです。ショボい人の目利き力とか本性を見極める力も、サポートスタッフだからこそ養える能力ですよね。今後個人で稼げる時代はショボい人にひっからないことはめちゃくちゃ大切です。

「たいしたことない」と自分でジャッジしている能力こそ、見直してみると輝いてくるし、仕事が楽しくなってきます。

■好きを仕事にするのは難しいと思うときに考えるべきこと

ここまでで、「好きを仕事にしたい人」「好きを仕事にしちゃダメという人」の対立がどこからくるかを述べました。ここまで見てくると、実は「好きを仕事にしたい人」「好きを仕事にしちゃダメという人」お互いの捉える「好き」の意味や、時間軸がずれているから、議論が噛み合わないことがわかります。

では、本当に、さかなクンみたいに天職に巡り合わなくても、「好きなことを仕事にする」ことは可能なのでしょうか。私は次のステップを踏むことで可能になると考えています。

好きなことを仕事にするには「本当に好きなのか?」を深掘りする

実は「好き」と口では言っているのにも関わらず、よくよく考えてみると「本当は好きじゃなかった」場合がけっこうあります。例えばインテリアコーディネーターになりたい!と思っているはずなのに、どうもやる気が起きない。つい他のことをしてしまう、という場合は、本当はインテリアコーディネーターになりたいわけではなく、インテリアコーディネーターという言葉でイメージされる他のことをしたいのかもしれません。

「本当に好きな仕事」と「嫌いな仕事なのに好きなふり」の見分け方

インテリアコーディネーターになりたいはずなのに気が向かない場合は、インテリアコーディネーターのどんなところが好きなのかをひとつひとつ挙げてみるのをオススメします。

例えば「他の人のインテリアを眺めているのが好き」なのか「素敵なおうち空間を作り上げていくのが好き」なのかなど、自分の「好き」の要素をピックアップしてみると良いでしょう。その結果、もしかしたら「インテリアコーディネーター」にこだわる必要はなくなるかもしれません。

例えば私の例だと、過去料理研究家になりたいと考えていました。多くの飲食にまつわる資格を取り、会社の許可を得て週末起業をしていました。夢は自分のレシピ本を出版することでした。

でも、続けていてもどうもしっくりこない、楽しくない、むしろ辛くなるし、グラム単位でレシピを作るのが面倒で仕方がなかったのです。その気持を分析してみたところ「私は料理が好きなのではなく、料理を食べて ”おいしいね” ”うれしいね” ”楽しいね” を作る場を提供するのが好きだったのだ、と気付きました。

コミュニケーションの場が欲しかったのに、料理という手段にとらわれていたのです。そこで方向転換した結果、今があります。

何か好きなことを仕事にしたいと思ったとき、どうして好きなのか?「その心は?」を、自分自身に聞いてみることをおすすめします。

好きを仕事にするには、頭の優先順位と心の優先順位を明確にする

「自分以外の誰か基準の重要度(やったほうがいい/やらないとまずい/やらないと人でなしだと思われてしまう/このくらいしか私はできないし、等)」を自分の「好きなこと」だと思いこんで思考停止している人も、けっこう多いです。

会社に好かれるか軸で分析し、自在に対応するのに慣れすぎて、好き嫌い軸をもはや思い出せない…そんなときは、一度好き嫌い軸で人生を棚卸ししてみましょう。

自分の「好き」を、消去法で残ったものから選ぶのに慣れてしまわないように!消去法の「好き」には熱量が乗らないので、誰も協力してくれません。自分の中でも「自分なんてせいぜいこんなもんだ」というあきらめの結果の「やりたい(=エセやりたいこと)」に、本当の心を惑わされているから、「あれ?好きなことをやっているはずなのに苦しいな」となってしまうのです。

その結果「好きなことをやっているはずなのに楽しくない」気持ちが続くようになります。まずは自分のホンネに忠実になりましょう。

これは何も、「エセやりたいこと」は無視してOK!一切やらなくてOK!という意味ではありません。自分が「あ、これはエセやりたいことだけど、自分以外にやる人がいないから今はやるしかないな」とわかっていれば、きちんと割り切れているのでそれでOK。だって、どうしてもやらなきゃいけないことはあるし、ある程度我慢しなければいけない場合もありますもんね。

今やりたいことが「エセ」だと自分で意識していたら、例えばそれを本当にやりたい人(や、もしあるとすれば同じことができる家電とか機械)に、業務をそのまま渡してやってもらったり、外注したりできる場合もありますよね。より効率化して、早く終わらせる方法も考えられるかもしれません。ぜんぶまるっと「やりたいこと」「好きなこと」だと思いこむからズレていくわけです。

■好きなことを仕事にする前に、嫌いな仕事をまずは好きになる方法

今すぐ仕事を放り出して、心から好きなことを追い求めることなんて無理!という人は大半でしょうし、そもそも「好き」がまだ見つかりきれていないので、何も行動に移せない!と思うこともあるでしょう。

その場合は、好きを仕事にする前に、今の仕事の中から「好き」の種をみつけていくことからはじめてましょう。

過去を棚卸しし、嬉しかったこと、悲しかったことを図解する

「あなたの普通は誰かのすごい」と先ほども述べました。自分が「たいしたことがない」と思っていることに、喜ばれるきっかけが隠れています。喜ばれると、自然と仕事が好きになっていきます。喜ばれて嬉しかったこと、相手のためになれて嬉しかったことを思い出し、図にしてみましょう。表や図にすることで、「嬉しい!」という思いが何をきっかけに生まれたのか、最悪だった経験は今、どんな影響を自分に及ぼしているかを振り返ると、自分の「着火ポイント」、つまり、モチベーションが上がるポイントが分かるようになります。

日記や手帳の過去の記録を眺めながら(日記や手帳を書いていない人は過去の記憶をたどりながら)、図1の表にそれぞれ、「3大嬉しかったこと」「3大悲しかったこと」を記入し、その理由も記入します。

次に、図2の表に、縦軸を感情の起伏、横軸を時間軸として折れ線グラフを書いていきます

記入のコツは、図1の表を全部書き終えたあと、その中での「最も嬉しかったこと」を図2に最上の頂点として、「最も悲しかったこと」を図2に最低の頂点として位置づけ、それに比べて他の出来事はどうだったかを記入していくことです。

この作業は過去をじっくり振り返るものなので、数分でちゃちゃっと終わらせることは難しいでしょう。取りかかるのは少し面倒かもしれませんが、1ヶ月くらいかけて少しずつ考えてみてください。作業が終わった後図として眺めたとき、自分の性格や今までの過去の出来事が今の自分にどう影響を与えているか、自分が何を「好き」だと考えているかが「見える化」できます。

アウェイ環境で小さく試してみる

自分の過去を振り返り、好きなこと、得意なこと、進みたい道、自分の強みが大体わかってきたら、いきなり「好きがわかったから仕事にする!」と仕事をやめたくなるかもしれません。でもちょっと待って!この状態でのあなたの「好き」はまだ仮説です。いきなり会社を辞めて飛び込んで「やっぱり好きじゃなかった」となっては路頭に迷います。

自分の軸の方向性を仮定めして、小さく試して、調整するというやり方で、自分の「好き」や自分が大切にしている価値観が世の中に通用するのか、やっていて楽しいかを実験する、つまり、「自分テストマーケティング」をしていきましょう。

3年後、今勤めている会社が「何屋」をしているかすら分からない今、「完璧な準備ができてから」と一生懸命スキルアップして、準備万全で行動を起こすのはナンセンスです。不安でも、未熟でも、未完成でも、まずは仮決めしてチャレンジしていくやり方を、会社という比較的守られた環境にいるうちに試してみましょう。

例えば私が料理研究家になりたかったときは、会社の許可を得て週末起業をして小さくチャレンジしていきました。そこで「なんか違う」と感じ、方向転換できました。

自分は本当にその仕事が好きなのか?合っているか?を小さく試し、自分の感覚や、周囲の反応を見ていきましょう。SNSやブログでの発信でもいいですし、小さなコミュニティで自分の得意を披露してみるのも良いでしょう。

ポイントは、アウェイ環境に自分を置くことです。自分の価値は、いつもいる環境だと「当たり前」に感じてしまうことが多いと先ほども述べました。自分と似た価値観の人とばかりつるんでいると、自分の価値に気づかない場合があるので、知り合いがいないような環境、コミュニティに思い切って入ってみることをおすすめします。

例えば私が主催しているコミュニティ「朝キャリ」では、「先生ごっこの会」と称して、自分がもしかしたら得意かも?と仮設をもったことを「先生」として教える場所を定期的に持っています。ブログの書き方、金融商品の見分け方、フルマラソンやウルトラマラソンを完走した方法、現役ライターがどうやって聞く書く読むをしているのか、シングルマザーが国家資格をどう取ったか、など、様々な「人よりちょっと得意」な知識を実際に教えることで経験を積んでいます。

先生ごっこの会についてはこちらにも詳しく解説しています。

 

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